ジョジョの奇妙な研究所

ジョジョの奇妙な冒険について色々と研究しています。
コミックスとジャンプ掲載時の違いや、ジャンプにしかないネタなどがメインになります。 所長:TOK

BUZZ Vol.21 rockin'on 2000年7月増刊号のインタビュー記事より。
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 たまには音楽畑以外にも、いろんな人に会って、いろんな話を聞いてみたい。だって、僕らは生きてるんだもん! というわけで今回から始まった新コーナー。第1回目は漫画家の荒木飛呂彦先生です。
 おそらくロック・ファンには既におなじみであろう『ジョジョの奇妙な冒険』。何世代にも亙る数奇な運命と血の物語を、緻密な構成と筆力で描き出す少年ジャンプ連載の傑作カルト漫画である。さらに登場人物が次々と繰り出す異能力=「スタンド」に、ロックの名作や偉人の名前がガンガン出てくるのも人気の的。「レッド・ホット・チリ・ペッパー!」「スティッキィ・フィンガーズ!」「セックス・ピストルズ!」という雄叫びと共に発現する奇怪なフォルムの能力達。現在シリーズ第6部「ストーンオーシャン」での新展開を見せている『ジョジョ』ですが、大のロック・ファンである荒木先生にその作家性の根拠と、今回の特集にちなんだ「あなたにとってのヘヴィ・ロックの名盤5枚は?」を尋ねに会ってきました。
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●今日は荒木さんの奇妙な作風がどのように生まれたかというのをお聞きしたいなと。
「どういう感じかなあ。梶原一騎のスポーツ根性――『巨人の星』とか『柔道一直線』の主人公がどんどん成長していくストーリー、それが子供ん時に凄い好きだったですね。と同時に横山光輝と白土三平の忍者マンガというのがあって。白土三平だと『カムイ外伝』とか。横山光輝は『仮面の忍者赤影』『バビル2世』とか。その2つが好きだったんですけど、梶原一騎の方は主人公がどんどん成長していくタイプのストーリーっていう。横山光輝タイプの作品というのはサスペンスとトリックっていうか。子供ながらにも、『こういう2つのタイプみたいなのがあるんだな』みたいなね」
●漫画好きの内向的な少年だったんですか。
「いや、普通です。私は剣道やってたんですけど、試合が凄いヤで。もう相手の気迫みたいなのが嫌なんですよ」
●じゃあ何で剣道やってたんですか。
「なんか、『おれは鉄兵』読んでて」
●ははははは!
「自己鍛錬ですね。自分の成長の為に試合してるっていう感じで、自分は闘いを描いてるんですけども。弱かった自分がね、相手に勝つっていうよりも己に勝つ為に戦うっていう。あと闘う時も、根性とかで勝つのはね、あんまり自分は嫌なんですよ。やっぱりワンランク精神がアップして、それを手に入れて倒すとかね」
●「スタンド」って発想もそういう事だと。
「そうです。今まで念力っていうと『うん』って念じてバカッて石が割れたりするんだけど、守護霊みたいなのが後ろから出てきて、本当は見えない心が出てきてそれを割るっていう、そういう発想なんですよ」
●僕は最初『ジョジョ』読んだ時「面白いけど変な漫画だなあ」と思って。アンケートの結果にシビアであるとされてるジャンプだったら、あと何回で終わっちゃうんだろうと思って読んでたとこあったんですよ。
「そうですねえ。その辺もギリギリのところでやってたかもしんないですね。でもとにかく描きたい事はいっぱいあったから、自分では終わる気全然ないですよ。やっぱり善の象徴と悪の象徴の闘い・・・その精神性ですね。1話目の辺りはちょっと肉体的なんですよ。当時シュワルツネッガーとかスタローンとか、映画でマッチョな男が出てきて闘う話が大ヒットするんで、それにあやかったのか何だか自分もその方向に行ってたんですけど、やっぱりその精神性みたいなのが頭にもたげてきまして、第3部のような感じになったんですけど。だから最初はマッチョの肉体を追及してたんですよ。肉体の極限ていうか『どこまで人間は肉体的にいけるか』みたいなね。それが精神性になった時にかなり広がってったっていうか。で、第3部の空条承太郎の時に苦労したのは――ディオっていう敵が最後にいるんですけど、そのディオを見せるとね、読者は空条承太郎対ディオの闘いを期待しちゃうわけですよ。その間どうでもいいわけ、その手下は。だからディオをなるべくとにかく出さないっていう。あれはかなり苦労したんですよ。いろんなマンガ見てても――ラオウが出るともうラオウなんですよ」
●はははは。
「ケンシロウ対ラオウで。その間に出てくる敵はね、あんま興味ないわけ。だから出しちゃダメなんだなと思って。私はむしろ道中記を描きたいのに、それなのに最後の敵を出しちゃうんじゃもうとにかくダメ。ダメっていうか、ストーリーはかなり苦しくなるっていうのは思いましたけどね。あとトーナメント式にしなかったっていうのかな。どんどん上に上がってくってタイプにしないで、すごろく的な――水戸黄門的な『ここではこの敵、ここではこの敵』っていう。で、強さは関係ないっていうか」
●強さは関係ない?
「キャラクターなんですよ。敵の強さで描くと、前より強くなきゃいけないんですよ。そうするとバブリーな話じゃないですか。最初の敵より強い敵、強い敵って、最後はこんな膨らんじゃって収拾つかなくなるんで。強いキャラクターもあれば、ちょっと弱めでずる賢い奴もいて。まあそれにスタンドっていうアイデアがハマったっていうところがあるんじゃないですかね」
●スタンドのネーミングとは別に、作品そのものに自分のロック観っていうのが影響与えてるなあって気はします?
「あのねえ、マンガを読むテンポってあるんですよ。ページをめくってトントントントントンみたいな。リズムっていうのが。そういうのがロックのリズムで。だからトトトトトトトトトトンッとかね。ドドドドドドバコッとかね。ゴゴゴゴゴゴゴゴドーンとかね。バキューン!とかね」
●ははははは。
「あとはまあミュージシャンの伝記とか読んで、『この人はこういう事考えてんのか』っていうのがキャラクターに反映されてたりするのはあるかもしんないですけど。ジミ・ヘンドリックスとかね。ロックじゃないけどモーツァルトとか
●そう言えば、荒木先生の描くキャラクターって何となくみんな悲しげですよね。ハッピーなキャラっていうのは――。
「あんまないかもね。やっぱそれじゃないと面白くないんですかね。編集者でね、『生きてるのがつらくなるような作品読みてえよな』とか言った人がいてね。例えば、スティーヴン・キングっていうキャラクターっていうのは、なんか生きてるだけでその存在が悲しいやないかみたいな。その人がそこにいるだけで悲しいんですよ」
●そういう影とか悲しさとかを必ず抱えてるキャラクターを描いてると同時に、少年の成長みたいなのを前提にしてると。じゃあ成長していきながらも、最終的なハッピーにはならないのかな、みたいな。
「うーん、でもまあ一応何かを掴んでると思いますけどね。あんまり不幸になって終わってるっていうのはないと思いますけども。一応これからも課題を抱えながらも、一つの敵はクリアしていくんだろうなっていう、そういう感じですね。でも物悲しい感じは絶対いいですね。音楽もそうですけども。『切ないなあ』みたいな」
●実は荒木さんの作品って、いたるところにユーモアがあるじゃないですか。あんまりそういう笑いの点って指摘されてないんじゃないかなと思うんですけど。
「ギャグっていうか、あれはヘヴィになり過ぎないようにっていうのもありますよね。描いててつらくなる時があるんですよ。読者もつらくなるとヤなんじゃないかなとか思って。だからそういうつらいののちょっと裏を返すっていうのかな。ブラックなユーモアとかで、本当はヤバい事なんだけど、ブラックな味つけにする事によって、ちょっと救いがあるっていうんですか。例えば具体的に言うと、この前のジョルノっていう主人公の時の作品で、1人仲間が消えるんですよ、途中で。それね、最初仲間を裏切って逃げるっていう考えだったんですよ。だけどいざ描こうとしたら、凄いヤバいと思ったんですよ。裏切るって物凄い描いててヤだなあと思ったんですよ。勇気がちょっとなかったですね。読者にも絶対これは許されねえと思ったもん。裏切りって少年誌のタブーじゃないかなと思いますね」
●それって少年誌だからって言うより、荒木さんの一貫した何かじゃないんですかね。
「うーん、でもね、悪の方にも私、感情移入してて好きなんですよ。ディオとか吉良っていう奴とかね。だからそいつの視点で描いたりしてるんですよ。悪には悪の気持ちがあるんだろうなって。だから読者もそれに感情移入するように描いたり。悪いことをするなりのね、動機っていうか」
●変な言い方ですけど、「悪を為す事においての正義感」みたいな?
「そうですね。その価値観のぶつかり合いで正義と悪に分けてますけど」
●主人公が女性って、今連載してる『ストーンオーシャン』が初めてですよね。
「女性もね、前は課題だったんですよ。やっぱりパンチとか、顔に受けられないじゃないですか、女の人って」
●そうなんですか?(笑)。
「だから今は時代が良くなったんですよ。80年代はあんな女の子出したらダメですよ。可愛い女の子じゃなきゃ漫画はダメ。どっちかって言うとロリコン系っていうのかな。だけど1人の人間として描けば、女の人も大丈夫だなあって。鼻血ぐらい出してても絵になるなって思ったんですよ」
●(笑)。
「まあ第1回目のあの辺はちょっと苦労しましたね。読者に可愛い子ちゃん路線で行くんだなっていう意識をさせないようにっていう。あえて汚い言葉使ったりとか、ちょっと肉体的な表現したりとか。可愛い子ちゃんが殴られたら、読者は『ええー!!』って思いますよ。殴られるぐらいじゃないと思うんですよね。『ジョジョ』って下手したら腕の1本も吹っ飛びますから(笑)」
●(笑)『ストーンオーシャン』は物語の展開って結構できてるんですよね。JAPANの方でお会いした時にチラッと聞いたんですが、ネタをバラすと読者に悪いからってあえて活字にはしなかったんですけど。
「(笑)もういいんじゃないですか。刑務所内だけの話になるっていう事は言いましたよね。物語は刑務所の中だけで行われます。道中もんじゃなくて、渦巻き型っていうか。中心に向かってくように」
●じゃあ最後に、今回BUZZの方でヘヴィ・ロック特集っていうのをやるんですよ。で、荒木さんのお薦めのヘヴィ・ロックの名盤5枚っていうのを――。
「ヘヴィ・ロックの概念がちょっと分かんないんですけども。レッチリもヘヴィ系に入るんですか」
●今回ウチの雑誌ではそういう事にしました(笑)。
「まずレイジの『イーヴィル・エンパイア』が入ってますね。あとリンプ・ビズキットの『シグニフィカント・アザー』。あとこれが私のNo.1なんですけど、バックチェリーの1枚目。ジャケットがいいんですよ。あとメタリカの『S&M』を入れとこうかな。最新ライヴですね。で、ボストンの『ウォーク・オン』」
●ボストン(笑)。ヘヴィ・ロックとして?
「ヘヴィ・メタじゃないの、あれ? 音はヘヴィ・ロックだけどね。あと私レッチリとか大好きですよ。あとはスキッド・ロウ、ガンズ・アンド・ローゼスでしょ。で、エアロスミスとニルヴァーナ。嫌いなのはパール・ジャムですね」
●へえ。そうなんですか。
「ハードロックってね、ちょっとエコロジカルな感じがあると思うんですよ。聴いてて気持ちいいっていうか。クラシックより全然精神的にいいと思うんですよね。強弱あんまないし。ずっとガンガンいってくれるから。で、パール・ジャムってちょっと神経に触るんですよね。音がなんかねえ」
●ふーん。面白い意見ですね。ボストンをヘヴィ・メタルと呼び、パール・ジャムの音はニルヴァーナより神経に触ると。
「ニルヴァーナは良い」
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なんとプレゼント企画として、抽選で1名に荒木先生の直筆サイン&イラスト入りのJOJO A-GO!GO!が!
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現在はどこにあるのかなぁ・・・
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ROCKING'ON JAPAN 2000年3月号でのインタビューより。
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梶原一騎に心酔し、娘。に激怒!
意外な熱血漢だったカルト作家の素顔。

前号「FREE BOX」のCOMIC欄、『ジョジョの奇妙な冒険』原稿が予想を遥かに超える大反響! 来るわ来るわ読者からの邦楽スタンドの山! そこで落とし前をつけるべく、「日本のロックをスタンドにしてくれ!」とお願いしに荒木飛呂彦先生に会ってきました。
 
 最初の音楽体験はグループ・サウンズかなあ。1960年生まれなんで8歳ぐらいなんですが、タイガースだとかブルー・コメッツみたいなの? あとはアニメソングとか。『巨人の星』が大好きで。 そう、梶原一騎が好きなんです! 私の作風とは違うんですけど、魔球とか必殺技のクロスカウンターとか――大リーグボールとかエセ科学的だったりしますよね? 無理矢理消したり無理矢理バットに当てたり(笑)。ああいうのとか、主人公がだんだん成長してく感じっていうんですか? そういう話に燃えるのかな。だから手塚治虫とか石ノ森章太郎先生系のマンガと、梶原一騎系のマンガってあるんですけど、どっちかと言うと梶原一騎なんですよね
 12歳の頃が72年なんですけど、ビートルズは解散してたんですが曲は何となく聴いてて。でその後に出てきたプログレッシヴ・ロックとかレッド・ツェッペリンからロックにハマって、一番最初に買ったレコードがイエスの『危機』、あと『海洋地形学の物語』。あのジャケットが綺麗で。絵がいいし。だから渋谷陽一さんの番組も――『若いこだま』って番組だったと思うんですけど、私実家が仙台なんで、情報がラジオだったんですよ。その時のラジオってやっぱり未知の世界なんですよ。大人の世界だし。外国だし。その時の渋谷陽一さんの話とかも『よくわかんないけども言ってるなあ!』って感じで(笑)。夜にラジオ聞くのってイメージが物凄い広がるんですよ。そうするとブリティッシュの寂しい感じの音楽っていうのが凄い良かったんですよ。ツェッペリンもハードロック系ですけどちょっとエスニックの感じがいたるところにあって、あの雰囲気がクるんですよね。あとエマーソン・レイク&パーマーとか、ブリティッシュの愛国心というかキングダム何とかって歌ってるんだけど、何か孤独で切ない感じなんですよ。当時アメリカでもキッスみたいのもいいんですけど、どっちかって言ったらカーペンターズとかね。ちょっとノスタルジーな感じの音楽がいいんですよね。風がヒューって吹き抜けていくような気分にさせるような。やっぱり北国の人の方がいいのかなあって。南の明るいパワフルな感じよりは、心にクるのは冬のある土地の人っていうんですかね。
 
80年代以降はやっぱりMTVっぽいから、プリンスとかマイケル・ジャクソン。プリンスは全部聴いてますね。最初に聴いたのは4枚目の『戦慄の貴公子』だったかな。やっぱ異様な感じがするのがいいですよね。だから直球的なマドンナよりはプリンスの方がいいですね。『ただじゃ済まさないな』って感じが楽しいんですよ。やっぱり80年代はプリンスが一番デカいんですね。で、90年代になると混沌としてきますね。好きなものがいろんなものに移ってる。本物のギャングが歌ってるスヌープ・ドギー・ドッグは結構ショックでしたねえ。それまでのラップってランDMCとかウィル・スミスとかそういう感じだったんですけども、ドギー・ドッグは本物っていうか、あれマジにヤバいですよ(笑)。あの辺の人達って、実際2パックとか殺されてるし。で漫画家ってオタクっぽいイメージがあるんですけど、実はツッパリっていうか硬派な人間が描いてたりするんですよ。高校時代は剃り込み入れてたりとか。実際お会いした事ないんですけどマガジン系はそういう感じしますよね。『ビー・バップ・ハイスクール』とか『特攻の拓』とか。ジャンプだったら本宮先生系の宮下あきらとか車田正美先生とかね、あの辺っていうのはちょっとホンマモンに近い感じがあるんですよ(笑)。音楽にもそういう迫力ってあるんですよね。何か生き様っていうかさ
 あと音楽聴いてて思うのは、大ヒット・アルバムってあるじゃないですか。その1コ前っていいですよね。ノッてる時期っていうか上り調子っていうか。頂点に立っちゃうとどビジネスに入るからのような気がするんですよ。最近聴いてるのはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。新作もいいですけど、旧作から来たから。日本のロックはですね、ほとんど聴かないんです。有線とかで日本のを仕事中に聴いてると、歌詞が頭に入ってきて『お前に言われたくない!』『何気取ってんだ!』とか仕事になんないですよ。だから英語がわかったら向こうのも嫌いになるのがいるかもしれない。モーニング娘。の”LOVEマシーン”?あれはちょっとヤだなあ。曲はいいんですけど、歌詞がふざけてますよ! ”社長さん”って今どきいいます? 紅白見ててチャンネル変えちゃったもん。まあ宇多田ヒカルは悪くないですよ。あの声とか凄くいいですよね。あ、イエローモンキーいいっすよ。2年ぐらい前に聴いたやつ、多分アルバムだったと思います。電気グルーヴも好き。あとはGLAYかな。あのスカッとしてる感じがいいかな。変に濃くないところ。GLAY、イエローモンキーは好意をもちました。ちょっと知的な感じがしますよね。無理にモーニング娘。まで行かないんです。彼らの知性がちょっと止めるところがあるんですよね。あ、読者から邦楽のスタンド出して欲しいって届いてるんですか(笑)。この間もどっかで『日本の音楽は一切聴かないんです、ちょっとムカっ腹立つんだよね』って言っちゃったんでねえ(笑)
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e-ジャンプ 2000年1月18日増刊
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この雑誌は週刊少年ジャンプ&Vジャンプ共同編集ということで、その雑誌に関係している作家の読みきり漫画が載っており、また付録としてプレイステーション専用CD-ROMが付いています。
CD-ROMの中身は、ジャンプ連載作家のメッセージムービーだったり、生声解説付き原画ギャラリーだったり。
YouTubeとかに上がってたりしてますね。
結局e-ジャンプはこの1冊だけ出て終わりだったかな。

そんなe-ジャンプに、6部連載開始前に行われた荒木先生のフロリダ取材旅行の様子が紹介されています。
この雑誌が出たのは6部がまさに始まったばかり(2000年1号)の頃です。 
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荒木飛呂彦 Goes to America!
~荒木飛呂彦のちょっとだけアメリカ取材紀行~
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広大なる湿地帯!!キミは『物語(ストーンオーシャン)』の行く末を想像できるか?
人口300万の大都市マイアミから車で30分、そこは3万5千平方キロの大きさを持つ大湿原地帯であった
荒木先生の新たなる物語の始まりの舞台は『フロリダ』だった。1年を通して温暖で、多くのラテン系の住人が住むこの半島は、全米で最も陽気な土地柄であるだけではない。かつては一面の湿地帯だった場所が人間の力で一から開拓された、全米でも最も大きく変化を遂げた地域でもあったのである。今では人口300万以上を誇る大都市マイアミも、一面水浸しの中川草が生えるだけの、荒涼としたワニとたくさんの鳥やもっとたくさんの小動物が棲むだけの場所だった。そして、マイアミやパームビーチといった海沿いの都市から車に乗ってものの30分もすれば、今でもそこは、ただもう見渡す限りの湿地帯が続いて、圧倒的な野性の王国!気軽に人間が足を踏み入れる事は不可能な場所だったりする。特別な訓練も装備も持たない一般人がいけるのは、半島の南西部に6570平方キロに渡って拡がるエバーグレイス国立公園ぐらいだろう。ここでは湿地帯の中でも道が整備され、ところどころに観測ポイントが設けられているのでフロリダの自然の一端に触れる事ができる。ただし、人間の見ている前をのら猫のようにワニが平然と歩いていく。あるいは角をまがったところにワニがいる。そんな所だ、ここは。なかには人間を襲う種類もいるから、あまり油断はできない。今回読者のみなさんにお見せしたのはそんなフロリダのほんの一端だけ。荒木先生は何やら熱心に写真をとったり調べたりしているけど、まずは「留置所」から始まったこの物語が今後どんな展開を見せるのか? キミはこの写真から読み取る事がデキルかな?

アメリカはおいしい?
本場で食った『ホットドッグ』はサイコー!イタリア好きの荒木先生には毎日の食事が実は心配だったけど、毎日『ホットドッグ』を食べてゴキゲンでした!
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ダ・ヴィンチ 1999年5月号でのインタビュー記事。
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プロフィール紹介によると「好きな映像は、ジェットスキーで海面を滑走する映像」らしいです。
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奇抜な発想と、奇妙な世界観で構成された大河ストーリーもテンションを落とすことなくついに第5部終結! 次なる展開は?

12年前、連載が始まった『ジョジョの奇妙な冒険』。タッチ/ポーズ、セリフ/効果音、そして世界観は当時、飛びぬけて異彩を放っていた。唐突であり、尋常じゃないもの。異端と呼んでは失礼だろうか。以来、ずっと気になっていた。そんなちょっとヒネた期待を荒木飛呂彦は絶対に裏切ることなく、単行本は現在62巻にまでわたっている。第5部ギャング編がついにエピローグを迎えたが、次の構想は? 休載期間を前に、今もっとも気になるマンガ家に話をうかがった。
 
「いやあ、なんか読者の興奮が止まるんじゃないか、と思うと、不安になっちゃうんですよ。勇気がいるんですよね、最後の敵と対決するヤマ場に挑む踏ん切りをつける勇気が。だから、どうしても毎週シツコイくらいにサスペンス的な駆け引きを織り込んでしまう」
 連載13年目に突入した『週刊少年ジャンプ』の名物マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦さんは、こう言って頭をかいた。
 『ジョジョ~』といえば、19世紀後半のイギリスを舞台に、呪われた石仮面をめぐって二人の若者の因縁が深まり、果てしのない戦いが100年以上にもわたって展開していく壮大なストーリー。その唯一無二の世界観とタッチ、超絶ポップな描き文字やセリフの数々、そして冒頭で荒木さんが述べていた、執拗なまでのサスペンスの導入で、12年以上にわたって読者を魅了し続けてきた。
 いったいどのような精神構造、体力、パーソナリティの人物が、この作品を構築しているのだろうか。
 インタビューの場所であるホテルの一室に現れた荒木さんは、12年前の著者近影と少しも変わらぬ雰囲気の、イタズラっぽい笑顔を絶やさない、少年のような人物だった。

絶対にズレないテーマ性が壮大な物語を決定した
「『ジョジョ~』という作品は、描く前からテーマは決めてあったんですよ。『人間は絶対に素晴らしいものだ』というものなんですけどね。これを疑ってはいけない、人間の存在を否定するようなマンガには絶対しない、と、自分に言い聞かせて始めました。そうなってくると人間なんだから、結婚して子供を生んで、ということも含めて素晴らしいということになる。だから舞台を古い時代に設定した時点で、これは現代までいくな、と。もちろん読者に嫌われなければの話ですけど」
 壮大な物語のプロットは現代が舞台の第3部までは決めてあったという。だが、それ以降の未来を描くのは予定外だったそうだ。
「あまり未来には行きたくないんですよ、『火の鳥』のように。リアリティがないとちょっと・・・・・・。みんなが知らない食べ物を食べていたり、知らない機械を使っていたり、というような世界は、私には描けないと思いますから。だからリアリティのある世界・・・・・・というのが基本なんです」
 しかしながら、92年から3年以上にわたって展開された第4部の舞台が、じつは今年(99年)なのである。
「あれは苦しかったんです。4部からは、ほんと何も決めてなくて。でも、描きたいこともまだまだあって、続けたい・・・・・・。だから遠い未来ではなくて、ちょっとだけ未来にならいいかな、と。でも、あの頃は、まだ先だと思っていたけど、あっと言う間に99年になってしまって(笑)」
 荒木さんの描きたかったものというのは、なんだったんだろうか。
「そりゃあもう、サスペンスですよ!」

何を描いても、ジョジョになる ジョジョになる
 荒木飛呂彦の作品の魅力のひとつに、その世界観がある。度肝を抜くようなセンスのファッションや髪形に身を包んだキャラクターたちがクネクネと不思議なポーズをとりながら、ブッとんだ会話をかわす様は、トランスしてしまうかのような、奇妙な感覚に読者を引きずり込む力がある。
「たしかに、意味ないよなあ。ブレイクダンスがはやれば、それをとり入れたり(笑)」
 あの独特なタッチというのは、マンガを描き始めた頃からすでに確立されていたのだろうか。
「そうでもないですよ。高校時代から描き始めたんですが、初期は白土三平さんみたいな絵柄でしたね。それから、だんだんといろいろ取り入れ始めて。たとえば美術館なんか行ったりして、感動したら、そこで観た絵画や彫刻のポーズを取り入れたりとか」
 マンガ家としては非常に特異な絵の勉強の仕方である。
「やっぱり普通は他のマンガの絵からの影響が強いもんですかね。私の場合はとくに彫刻から影響されることが多いんですよ。彫刻って、変なポーズとったりするじゃないですか、なんか不自然な(笑)。それでもなぜか生命力に満ち溢れていて、いいんですよねえ、あれが」
 しかし、変なポーズを決めたり奇抜なファッションに身を包んだりしているキャラクターたちが暴れている舞台自体は、先ほども明言していたがリアリティのある街並。それは日本だろうがイタリアだろうが変わらない。びっしりと描き込まれた存在感のある風景が雄弁に物語っている。
「やっぱり取材旅行に行ったり、調べ物して裏づけをしないと。それとね、海外に行ったりするのは、もちろん取材のためでもあるんですけど、アイデアがわくんですよ。たとえば、エジプトに取材に行ったときに、もう、この国の人たちは全員が悪人なんじゃないだろかって思うくらいの目にあいまして(笑)。それで主人公をここへ放り込んだら面白いんじゃないかな、とか。こういうのって行かなきゃわからないでしょ。行く前は私もエジプトって単純に素晴らしい国なんだろうな、って思ってましたから。違う意味で、素晴らしいと今は思いますけど」
 こうして、さまざまな取材や壮大なテーマ、サスペンスの織り込みによって、『ジョジョ~』のテンションは今なお落ちることなく連載が続いている。しかしながら『ジョジョ~』の連載開始は86年の暮れ。60年生まれの荒木飛呂彦はそのとき26歳。つまり、その後の12年、マンガ家としてもっとも脂の乗り切った時期をすべて『ジョジョ~』に費やしたことになるのだ。これは少しもったいないような気もする。荒木ファンとしては、現在の筆力で『バオー来訪者』の続編や、まったくべつのジャンルの作品も読んでみたいのだが・・・・・・。
「もうね、『ジョジョ~』しかないんですよ私には。なにしろ人間がテーマだから、人間がいる限り続きますよ(笑)。たしかに他の作品も読みたいという方もいるでしょうけど、すべてをこれにぶつけてるから、結局、タイトルを変えただけで同じなんですよね。今さら恋愛マンガとか描けないし、いろいろ手を出したらダメになるだけでしょ。だったらもうね、開き直るというか、覚悟を決めて『ジョジョ~』と心中ですね」

この雑誌、漫画の解説に所々間違いがあるのが残念です。
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幸田露伴は小説家ですね。
davi003
”弓と矢”って柱の男が残した描写ってあったっけ?
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モンスーン 1999年春 Vol.2
表紙は描きおろしイラストです。
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なんとなく3部小説に出てきたアブサロム・ミカル兄妹っぽい
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「日常」そして「運命」、その次は?
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――今回の号の裏テーマが『2010』なんですよ。
荒木 西暦2010年て事ですか。
――そうなんです。「1999年でバカ騒ぎするな、一歩先の未来について考えろ!」と。
荒木 なるほど。
――それに無理矢理合わせて大好きな『ジョジョ』について考えたとき、「未来社会の『ジョジョ』は果たしてどうなるのかな」と思ったんです。
荒木 あのね、わしは「日常」っていうのを大切にしてるんですよ。生活の中でこう、コーヒー飲んだりとか、みんなに分かることってあるじゃないですか。 今、第五部ではイタリアを舞台にしてますけど、やっぱりイタリアって外国だから、日本人には馴染みが無いんだけども、 でも、ジョルノ達も御飯は日本と同じようなスパゲッティを食べてるとか、そういう読者の日常との接点を、マンガに取り入れてるんですよ。 全部作ったような世界は難しいんです。 日本人が食べたことが無いものを食べてる世界とか、日本人が使ったことが無いような機械を使ってる ○○星の人とかっていう、スターウォーズみたいなのはね、ちょっと『ジョジョ』では難しいんじゃないかな・・・といつも思ってるんですよ。
――へぇー。
荒木 九十三年の段階でマンガでは九十九年の世界が舞台だとか、そういう事もやってたんですけど、 未来で核戦争が起こったりだとか、そういうのを想像するのってあるじゃないですか。 だけど『ジョジョ』ではあんまりそういうのは想像しないんです。九十三年の日常を引きずりながら・・・
――やっぱり九十九年もそんな変わってないみたいな。
荒木 そう。殺人もやってるけど、「ちょっと殺人鬼は進化してるかなあ」みたいな、 そういう微妙なとこなんですよね。
――なるほど。やっぱり『奇妙な冒険』だから、設定からして奇妙だと、出来事が奇妙になんないですよね(笑)。
荒木 うん、そうですね。まさしくそうなんです。 でもマンガだから、「ちょっと未来が欲しいな」みたいなね。
――「日常」があるからこそ「奇妙」が際立ってくる。第四部の杜王町は、その典型ですね。
荒木 でも、読者は一方で話の盛り上がりも欲しいわけですよ。毎日同じように延々と続く『サザエさん』の世界みたいなのは、『ジョジョ』には求めてないので、「この辺で最終決闘にいかなきゃいけないのかな」っていう。四部の外伝はいっぱいあると思いますよ。
――あの日常は住んでたらちょっとヤですね。
荒木 住んでたらヤだよね(笑)。でも、あの当時は異常だったよね。 実際オウムとか起こっちゃったし。昔からね、新興住宅地は結構変なヤツがいるっていうのはあったんですよ。 「一見幸せそうできれいだけど・・・」みたいな。
――九十九年七月はどう思われます?
荒木 杜王町はたぶん普通に過ぎていくと思いますよ。
――荒木先生的に何か対策はありますか?
荒木 「ディープインパクト」ってあるじゃないですか。わし、ああいうのがいいと思うんですよ。 隕石が落ちてきて、地球の半分ぐらい死ぬじゃないですか。 全員滅亡するのはイヤだけれども、半分ぐらい壊滅して欲しいなあ、と(笑)。 別に地球を完璧には救ってないけれども、なんかスカっとするんですよ、そういうのはなんか必要なんじゃないですかねえ。
――で、今は第五部を描かれてるわけですが・・・
荒木 そうだね、第五部は「やっぱり人間って運命にしばられてるのかな」っていうのがあるんです。 マンガを描いてると分かってくるんですよ。 例えば主人公を設定するじゃないですか、で、その主人公が新宿に来たとすると、その後どうするのか、一見無限の可能性があるように思いがちですよね。 でも主人公に動機づけとか性格とかがあるとね、もう決まってくるんですよ。 例えば東京駅に敵がいたりとか、愛する人がいたら、もうその主人公は東京駅に行くしかない。 わしが考えるまでもなく、そういう風に動いてしまう。 そうすると「あ、運命ってあるんだな」って、創作してると分かるんです。
――それ逆説的ですね、なんか。
荒木 でも、「運命はやっぱり主人公が切り開いていくものなんだな」っていう。 死ぬかもしれないけど、切り開いていく。・・・キャラクター作って、過去とか細かいとこ決めていくと、やっぱり生まれた時が問題なんですよ。 生まれた時を決定すると、性格とか、後のことも自然に決まってくるんですよ。 わしはそんなの考えてないのに、「こうなるしかない」みたいな。 そうやって考えていくと、「運命とかあるのかなあ」って。
――「運命の五部」はどこに行き着くんですか。
荒木 もうすぐ終わるんですけど。ま、それは読んで頂ければいいと(笑)
――おぉー!ってことは六部の構想がもうあるわけですね。
荒木 まあ、朧気にですけどね。
――六部は未来にはしないわけですか。
荒木 いや、未来にいくんじゃないかな、微妙な未来に。
――ジョースターの血統は?
荒木 血統はどうなんだろう、まだそれは考えてないんですけどね。
――いや先生、そこ考えないと(笑)。
荒木 そっかあ。やっぱ重要ですかね。
――メチャ重要ですよ(笑)。

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Comnavi 1998年Vol.3 2月10日号より
コンビでの活動が見られなくなったTAKE2が表紙のコミック総合情報誌です。
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「インタビュー&グラフ 荒木飛呂彦」
僕は自分の作品を通じて、生命のすばらしさ、尊さを表現していきたい。今までも、これからも。
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 子供の頃からマンガは好きでした。マニアじゃないけれどね。
時代は手塚治虫先生の全盛で、もちろん手塚先生の作品も読んだけど、どちらかといえば、劇画が好きでしたね。劇画時代の始まりの頃でしたしね。特に梶原一騎先生の作品。白土三平先生の作品もよく読みました。
 学校に行っていた頃といえば、ロックもよく聴きました。僕の一番のお気に入りはレッド・ツェッペリンですが、さまざまなバンドを聴いてましたよ。子供の頃はお金がないから、友達同士でアルバムの貸し借りをやって、テープにとっておくんです。僕のマンガに出てくるスタンドの名前は、昔好きだったグループの名前やアルバム名から取ったりしています。例えばローリングストーンズのアルバムでスティッキーフィンガーズというのがある。ジャケットがジーンズになっていて、中央にジッパーが付いているわけ。当時話題になったジャケットなんですが、そのジャケットを見ていて、いろんなところにジッパーを付けて開け閉めすることができたらおもしろいのにな、なんて思ったんです。そんな発想から生まれたのが『スティッキィ・フィンガーズ』というスタンドです。
 '70年代、というのは今考えると凄い時代だった。時代そのものにもインパクトがあったし、活躍したアーティストの個性も光っていたと思います。マンガでいうところの「キャラクターが立っている」という感じ。これはミュージック・シーンに限らず、映像などにも感じますね。
 マンガ家になろうと本気で作品に取り組み始めたのは高校になってから。初めて出版社に持ち込んだ原稿は「カウボーイもの」だったんですよ。だって、カウボーイマンガなんてマンガ本に載ってなかったから、目立つかなって(笑)。だけどね、編集の方からやっぱりいろいろ注意されましたよ。「枠線からはみ出した線はしっかり消さなきゃダメだよ」といった基本的なことから始まって、内容的なこともさんざん突っ込まれる。そこで降りちゃう人もいるようですが、僕は「次はがんばろう」って感じで。だからその次の持ち込みの時はもう、自分で考えられる限りカンペキにして持っていきましたね。質問や突っ込みに対する答えも含めて。それでももちろん言われることはたくさんあるわけですが、こっちが注意されたことを直そうとしていることは伝わって「ああ、この子は本気なんだな」と認められたんじゃないかな。
 デビューまでが短かったせいもあって、僕にはアシスタントの経験がないんです。だから、アシスタントをやってれば誰でもすぐわかるようなことを知らなかったの。例えば黒いバックに星を描くなんていう時に、星の形に残してベタ塗ってたりとかね(笑)。他のマンガ家さんから教えてもらって「なんだ、そうか」と。
 『ジョジョ・・・』の最初の単行本が出る時、週刊少年ジャンプの先輩、秋本治先生は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』をすでに51巻も出しておられたんです。凄いですよね。そう思っていたら、『ジョジョの奇妙な冒険』ももう55巻を数えるまでになりました。とても秋本先生のようにギネスに挑戦、とはいかないと思うけど、感慨深いものがあります。
 『ジョジョ・・・』に出てくるスタンドは、守護霊からヒントを得たものなんです。守護霊というのは人間を守ってくれるものでしょう。それがもう少しアクティブになって、守っている人間を襲ってくる者があったら、えいっと拳を出して攻撃してくれたらいいのにな…っていうところから生まれました。さまざまなスタンドを描いているうちに、もう強くなり過ぎちゃってカンペキなスタンド、みたいなのができちゃうことがある。「ああ、これじゃあ倒せないよ、困ったな」なんて(笑)。でも結局何かがどうかなって倒せるんですけど、それを理論的に説明するナレーションをコマの中に入れるんです。少々強引でも納得できちゃうような、ね。とても不可能なことを科学的に検証する、という本がありますけど、ああいうのが好きなんです。
 僕自身が気に入っているスタンドは、第4部に出てきたクレージー・ダイヤモンドですね。破壊されたものを何でも直しちゃうの。そういうのがついててくれたら便利(笑)。
現在、連載は1本。マンガは週4日描いて、ネームに1日かけています。徹夜はできませんね。仕事は5日に収めるようにしています。
 マンガ家というのは家ですわって仕事をしているから、楽に見えるかもしれませんが、実は非常に重労働。バトルシーンなんか描いている時って肩にもの凄い力が入ってます。若い時じゃなきゃできない仕事なのかな。他のジャンル、例えば青年誌なんかに描いてみないの? なんていう声もあるんですが、僕にとって『ジョジョ・・・』は全身全霊で描いている作品。今、他のマンガを描いても、みんな『ジョジョ・・・』になっちゃいますよ、きっと。
 オフの日は映画を観たり音楽を聴いたり、できるだけ自分の勉強に当てています。毎日進歩していかなければ、いくら人気のある作品でも2~3年で飽きられてしまう時代。常に前に進んでいくことを自分に課しているんです。
 映画は趣味であると同時に、貴重な研究材料でもあるんです。僕はミステリーが好きなんですが、ミステリー映画というのには造り方のセオリーがあって、よくできた作品は、すべて緻密な計算の上に造られているものです。カメラの視点の位置、カメラワーク、場面構成など、作品を描いていく上で、何よりも参考になるんです。『ジョジョ・・・』の中に、ツメのアップのシーンを描いています。指の先から何かが出てくるといった場面の説明で、指先のアップを描くというのは、ミステリー映画にあった手法。映画のカメラワークを参考にして構図を決めることがよくあります。
 でも最近は映画も作品が小粒になってきた印象を受けますね。びっくりするような作品が観たいなあ。
 このところ、イタリアにはまっています。ルネッサンス美術には感性を刺激されますね。食べものもおいしいし。『ジョジョ・・・』も現在イタリアを舞台にドラマが進行中です。激しいバトルを通じて生命の尊さをテーマに作品を描いていきたい。それはずっと変わりません。 

紙面の下の方に小さく絵入りサイン色紙
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さて、この雑誌の企画の凄いところは1ページのインタビューに対し、5ページにわたるアイドルさながらの写真撮影。
37歳の漫画家なのに。
撮影場所は東京オペラシティです。
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1日1日、進歩したい。変わり続けていきたい。
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「生命賛歌」
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だれかオペラシティでこのポーズ再現してくれないかな。

Un Principe protetto dai Santi
(イタリア語のようですが、直訳すると『聖者に守護された王子』?)
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歴史ある国が好き。だからアメリカよりもヨーロッパに魅かれます。
 
バトルシーンを描くのにはとてもパワーが必要なんです。ペンを持つ手にぐぐっと力が入っています。

今の僕は全身全霊で『ジョジョの奇妙な冒険』を描いているんです。だからもしも他の作品を描こうとしても、みんな『ジョジョ・・・』になってしまうんじゃないかな。気に入っているスタンドはクレイジー・ダイヤモンド。壊したものを直してくれたら便利だから。
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マンガを描くのは1日10時間。人物と書き文字は自分の手で。

これからも少年ジャンプで描いていきたい。ジャンプは僕のふるさとだから・・・。

一番好きな映画は『大脱走』、一番好きな俳優は、クリント・イーストウッド。 


荒木立ち、これから流行るね、きっと。
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